ベイエリア日記

ベイエリアでプロダクトマネージャーやってる中年おっさんのブログ

スリランカで自爆テロなど。。

日曜日の夕方、何気なくニュースをチェックしていたらスリランカ自爆テロのニュースが目に飛び込んできた。キリスト教会やホテルなどをターゲットにしたテロは現時点で290人が死亡し、500人以上が負傷するという大惨事になっている。常に政情が不安定なパキスタンアフガニスタンではなく、比較的安全とされ日本人観光客も多くて訪れる国なので驚きが強い。

 

Economistの特集はUnicornについて。世界経済の動向にキャッチアップするために割といい雑誌だし、出版元はUKなのでFT同様アメリカで起こっている出来事を客観的に見るのにいいのだけど、Bearishなスタンスが強すぎる傾向がある。今週の特集記事もご多分に漏れず。VCがスタートアップをスーパーチャージして、とにかく赤字を垂れ流しながら売り上げをとにかく伸ばして、企業価値を上げるだけ上げてイグジットさせる方法について苦言を呈している。個人的にはトップラインフォーカスというのは問題ないと思うが、あくまでそれは規模の経済が利く場合だけだ。企業価値が将来に渡って生み出される利益の期待値の総和であるのであれば利益が出る見込みがなければ、いくら売り上げを何倍、何十倍にしても結局は企業価値などはつかないのである。なので闇雲にこれはだめだあればダメだと語るのではなく、もう少しの考察が必要なんじゃないかな。

デザイン

深澤直人という人がいる。デザインカンパニーとして名を馳せるIDEOに勤め、日本に帰国してからは自分の事務所を立ち上げてauinfobarや無印の壁掛けCDプレーヤーをデザインした。僕の日々の仕事はカスタマーの問題を見つけて、その解決策を形にする仕事だが、その仕事を通じて解決策を形にするだけでは不十分であるということを痛感してるので、最近はデザインというものにとても興味を持っている。何が不十分かというとソリューションというのはそれだけでは不十分であり、それをいかにユーザーの行動の中に自然な形で表すことが必要ということである。ここで僕の言っているデザインとは、見た目のデザインではなく、ソリューションとユーザーのインタラクションのデザインである。僕も昔はデザインという単語をきくと、グラフィックスのデザインをすぐに想像していたが、イームズもいうようにデザインは本来問題を解決する方法の1つである。ということに気づいたのが最近なのはちょっと恥ずかしいのだけど、原研哉の本を読んだり、デザインの展示に足を運んで最近は色々と勉強するようになった。深澤直人の話に戻る。彼は人間の自然な行動にソリューションを埋め込む。例えば彼のデザインで僕が一番好きなのは、壁から数センチか離れた場所に溝を掘りつくった傘立て。僕らはよく壁に傘を立てかけるが傘の先は地面を滑って落ちてしまう。でも地面に溝があってそこに傘の先端を差し込んで、柄を壁に立てかければそれだけで立派な傘立てになる。ユーザーはすでに行なっている行動なので何の違和感もない。行動に機能を持たせることが可能になる。


傘立てのデザインを見ていると、日常にこそよいデザインのヒントが隠されているのだなと思う。注意深く人々を観察し、理解することがよいデザインに繋がるのではないかと。月並みながらそういうことを考えた。

やはり筆不精で。

筆不精は何ともならないですね。気づいたら前回ブログを更新してからすでに2ヶ月ほどが経過してしまった。

 

ブログを更新していない間に、日本では新しい元号が発表され、アメリカ国民が首の皮が伸びてちぎれてしまうのではないかと思うくらい待ち焦がれていたMueller Reportは「この人まともかも」という期待を悉く裏切ってくれた司法長官のBarrに茶番とされてしまい、予定されていたBrexitは結局先送りになった。シリコンバレーではLyftが華々しくIPOを果たし、Ride Sharingで大本命のUberも100bn規模のIPOを目指し、S-1をSECに提出してホームストレッチに入った。ピエール瀧がコカイン所持で逮捕されて、石野卓球がシニカルなTweetを連発したりしている。逮捕といえば日産・ルノーの元CEOで報酬の虚偽報告で逮捕されたCarlos Ghosnは釈放時の変装で世間を沸かしてた。

 

ニュースにはならないが、自分もまた1つ年齢を重ねて38才になってしまった。なんか大人になっていない気が。まあいいか。

 

また気が向いたらこのブログを更新しよう。

続けることに意義がある

気づいたら1週間以上ブログをサボってしまった。いけない、いけない。

先週はサンフランシスコのプロダクトチームのリーダーシップと一緒に東京に出張してました。東京では、タワーレコードに行ったり、ツタヤに行ったりと、日本ならではの音楽文化を紹介することができ、うちのリーダーたちも興味津々だったようです。

ただ1つ悲しかったというか、日本これでいいのかなと思ったことがあった。韓流アイドルに会うための抽選に応募するために、タワレコの前に購入済みの大量のCDが入った袋をぶら下げる女の子たちに遭遇した。聞くと、1枚2000円のCDを50枚買って、10万円使ったという。同じCDを50枚も持っていても仕方がないので、友達にあげるか捨てるらしい。握手会に参加したい、総選挙の投票権を1枚でも多く入手してお気に入りのメンバーを応援したいという動機でアイドルグループのCDを多数購入することは社会現象となった。オリコンもランキングの集計方式を変更したし、ファンに大量のCDを買わせるビジネスに批判の声も多くあり、この手の商売はもはやなくなったのかと思っていた。何よりも目の前でリアルに「10万円使いました」と無邪気に言っている女の子たちを見て悲しくなった。これじゃキャバクラとかホストの商売と同じじゃないかと。

2013年ごろからストリーミングサービスの立ち上げのために日本のレコード会社さんとライセンスの交渉をしてきました。耳にタコができるくらい聴かされたのは「音楽の価値」という言葉。確かに1枚のアルバムにかけてまともにアーティスト活動をしているアーティストの方がきっと多い。上記の様なアイドル商法をしている方が市場全体からしてみれば少数派かもしれない。でも、まだメジャーに所属しているアーティストでこういう商売をしているのであれば果たしてあの時散々聞かされた「音楽の価値」というのはなんなのかと思う。

日本の音楽市場はまだまだフィジカルの占める割合が大きい。でもそれって本当にユーザーが音楽に対する対価を払っているのか。CDを買えばノベルティやDVD特典、上記の抽選券などが付いてくる。ユーザーは特典が欲しいからCDを買う。特典をつけなければCDは売れない。だから特典に力を入れる。あれれ、なんかずれてないかな。

ストリーミングは着実に大きくなってきてはいるけど、アメリカやヨーロッパに比べれば生まれたても同然。CDを買わなくなっているのはすでに自明。アーティストの創作活動が若手も含めてサポートされるように業界として一貫した方向性を見たいなと思った日本への出張であった。

来週は日本

今自分が所属しているプロダクトチームのリーダーシップが来週日本チームとのミーティングで日本に行くので、自分も便乗することに。年末に帰った時に、次に帰るのは3月に子供達に会いに行くときかなと思っていたか地味に楽しみ。ただあんまり長くいると時差ボケがきつくなるので、今回は1週間ほどいて帰国する予定。

今の事業部に異動してからもう5年以上が経つが、彼らが日本に行くのは初めて。日本チームにとっても大ごとだけど、僕にとっても大ごと。ようやく彼らが日本を訪れて、日本のカスタマーや音楽マーケットについて実際に目で見て、肌で触れる(というか耳で聴く?)のかと思うとやっぱり嬉しい。百聞は一見にしかずだしね。

閉鎖は続くよどこまでも

アメリカ議会の閉鎖もついに32日目に突入。これまでの最長記録は21日だったが、余裕で記録を塗り替えた。記録更新前後でニュースのトーンも変わってきた気がする。特に30日を超えたということで、連邦職員は1ヶ月も給料が払われないという事態になっており、議会閉鎖を57億ドルのメキシコ国境との壁の建設費用の交渉材料にするのはさすがにありえないという世論が大勢になっているみたいだ。ただ事態を打開するために上院では壁建設の予算と議会を2月8日まで一時的に再開する事案の議決をすることになったみたいで政権与党の共和党にもおそらく民主党に与する議員が出てくるのではないかと思われる。2020年の中間選挙を控えて再選を目指す議員にとってはトランプ大統領のメンツを保ちつつ、支持基盤に迷惑をかけないという難しい舵取りを迫られているだろう。かわいそうに。

都合が良すぎる。

週末になるとあれこれ考える。殴り書きになってしまうので、ブログなんていう衆目に晒される場所に書くべきではないのかもしれないが、備忘のため。

  • プロダクトやサービスが問題解決になるかどうかは、それだけが成否を左右するわけじゃない。勿論、解決策になっていることは最低条件だけど、ユーザーが認知するだけで利用に結び付くと思うのは合理的だが実際は正しくない。都合が良すぎる。
  • そもそもその問題自体がそのユーザにとって、すでに解決している問題と比べて大きいか小さいかを考える必要がある。ユーザーの時間は有限。ユーザーだって優先順位はつける。
  • 脳は既知のアクションにバイアスがかかっている。Fast ThinkingとSlow Thinkingを意識する。新しいアクションをとってもらうには相当なインセンティブが必要。なので、すでに解決済みの問題の方が何倍も、これから解決できることを提示しようとする問題よりもレバレッジがかかっていると考える。
  • 「どうやったら使ってもらえるか?」を問うよりも、「なんでこれを使わないといけないのか?」や「どうしたら既にあるユーザビリティに統合できるか?」を考えた方がいい。

なんだか眠い。コーヒーでも飲むかな。