ベイエリア日記

ベイエリアでプロダクトマネージャーやってる中年おっさんのブログ

スポーツマンシップとは

たまたまニューヨークにいたので週末に全米オープンテニス女子シングルス決勝を見に行きました。既報の通り、大坂なおみ選手が6−2、6−4で優勝を決め、男女通じて日本人で初めてグランドスラムの栄冠を手にしました。しかしながら、試合自体は大荒れ。セリーナはラケットは折るわ、審判に激しく迫るわで、主審から3回の警告を受け、ポイントペナルティとゲームペナルティを課される始末。大坂選手は集中力を切らさず、試合を戦い抜いて、本当に素晴らしかったのですが、表彰式は心無いブーイングの嵐(結果に向けられたものなのか、大坂選手に向けられたものかはわからないけどおそらく前者)で本当に異様だった。大坂選手も表彰式冒頭からバイザーを深めに被って、会場のモニターからも明らかに涙しているのが分かるレベル。子供の頃から夢見たグランドスラムの、しかも幼少期を過ごしたニューヨークで開催された全米オープンテニスで優勝を収める、しかも日本人初としての大快挙に会場にいる日本人としてすごく辛かったし、憤りを感じ得なかった。

セリーナは男子選手が審判に暴言を吐いても、ペナルティを取られることはないと言って、男女差別を持ち出したけど、審判にだって人権があることを忘れてはいけない。審判がいるから試合運営が成り立つわけで、審判に対して威圧的な態度を取るのも、暴言を吐くのも許される行為ではない。審判を守るために暴言に対するペナルティがあるわけで、男子が取られていないから女子も取られていなくて平気であるという議論は論点を間違っている。男子でペナルティを取られていないのを否定するならまだしも、女子も取られなくていいというのは到底理解できない。テニスの主審がどういう心持ちかわからないが、バドミントンで審判を経験した側からしてみれば、トップ選手の試合ほど緊張するし、公正にジャッジをしようとすごくプレッシャーを感じていた。審判だって真剣勝負だ。プロフェッショナルである以上、勝利に対して執着するのは痛いほど分かる。熱くなるのも分かる。だからと言って、何をしてもいいというのは誤解にもほどがある。そして観客にも落胆した。確かに高いチケットを買って見に言った試合にしては、結末がひどかった。でも、大坂がセリーナを圧倒していたのは明らかだったし、ぜひ最初から祝福してほしかったな。

ただ彼らがプレーするグランドスラムのファイナルというのは緊張感があって、本当にドキドキした。ぜひ、全豪で再戦してほしい。